あの日、オレは変わってしまった

2/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
 教室は見事にガランとしている。  電気もついてなくて、明かりは窓から差し込む太陽の光だけだ。  ふと教室の後方を見れば、人がいた。  席について、何かしている。  あの子はふだんからおとなしい。キャッキャとサワいだりするタイプじゃないし、運動もトクイそうじゃない。  オレに気づいたのか、その子はオレを見るなり、ニコッと笑ってみせた。 「なにしてんの?」 「なにもしてない」  オレはぶっきらぼうに答える。 「じゃあいっしょにあそぶ?」 「あー……」  オレは教室の時計を見上げた。まだ次の授業まで時間はあった。  ひまつぶしになるし、いいかと思い、オレはうなづいた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!