1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヨウくん、あやまりなさいよ!」
「そうよ! あやまりなさいよ!」
「あやまれ!」
女子たちがいっせいに声を上げ始めた。
あやまれの大がっしょう。オレと山下さんを囲む女子たちの間は、かんぜんに教室の中で区切られてしまった。
オレが感じたキケンはただの予感ではおわらなかった。一生分のあやまれを浴びせられるも、教室に男子はオレ1人。もし他の男子がいたとしても、この状況は変わらなかったかもしれない。
とりとめもない仮の話を考えても、この状況が一変することはない。
オレは、降ってくるあられのような声に顔をゆがめ、キケンを感じた体に素直に従った。
「わかったわかったって! ごめんごめん!!」
そう叫んで、オレは教室からにげるように去ったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!