: プロローグ。:

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 夜明けは怖い。 朝なんか無くなればいい。  転校そうそう、俺はイジメのターゲットにされた。 理由は知ってる。 でも俺が何をした? 文句なら俺ら親子をここに追いやった、 神にでも言ってくれ。 そして従妹(いとこ)芹菜(せりな)。 アイツ、絶対に許さない。 俺は男だから、女に手を上げない。 でも芹菜はムカつく。 アイツの一言で、ターゲットにされた。 分かってて言ったのか?あのバカ女。 俺と違ってスポーツ音痴。まるでダメだ。 オマケに勉強も俺より悪い。出来ない事だらけじゃないか。 そのくせ、プライドは高い。美人と思ってるドブス。 性格はひねくれている。 本当に俺と同じ血が、流れてんのかよ? 「アンタ。自分の立場、分かってないじゃん。 居候(いそうろう)よ!アンタ!!」 成りたくてなったんじゃない。 母さんは芹菜の母の良子(よしこ)叔母(おば)さんと、いつもケンカしてる。 出来の良い姉の明美(あけみ)は俺の母さん、 良子叔母さんはその妹。 出来が悪い妹って、まるで俺と芹菜みたいだ。 ―――――居候、それだけならいい。 でも何でバラすんだよ。 秘密にしてた俺が悪いのか? 言いたくないし、思い出したくもなかった。 同情も嫌だ。 聞かないから、言わなかっただけ。 なのに。  そんな時、(あかね)ばあちゃんの死の知らせが来た。 そんな‼ばあちゃんまで。 大好きな茜ばあちゃん。 母さんや良子叔母さん、芹那のバカと 一緒に、ばあちゃんちへ向かう。 そして思った。 あんなに元気だったのに。 みんな突然いなくなる。 何でだよ! いや、いっそ時間を戻してくれ。 あの日に・・・帰りたい・・・。  
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