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「のうわぁっ!」俺は叫んでしまう!
い、いや、落ち着け俺。
そうあの声、あれは間違いなく、彼女だっ!
いくら『彼女』としての義務は髪の毛以下、要求のみ富士山より高い存在とは言え、俺の『彼女』に間違いはなぁいっ!
「なーにぃ、その指の先に光ってるのはー?」
俺が何にも言わないうちに彼女は遠慮の欠片もなく聞いてくる。
ふ、その容赦もなにも無い言葉が、君らしいぜ、惚れてしま…、
ほ、惚れ、ううっ、くっ、惚れにくい…、
い、いや、彼女はいつも俺の思考にイレギュラーを巻き起こすっ、そんな存在、シュレーディンガーの子猫ちゃんなのさ…
しかしっ今はっ、なぜだろう、彼女に「これは豆電球さ」と言うのを俺の本能が拒否しているっ。
いやっ何を迷う、俺は本能に忠実な男、スタイリッシュに嘘をつくことを瞬時に決意するのだっ。
「これはぁっ―」
俺は指先を天高く突き上げ、のち、顔の前でキザに左右に振る。
「光るラッキョウ、さっ」
決まったな、と思った俺の個人的感想などそっちのけで、彼女の手が伸びてくる。
「えースゴーイ、ちょうだいっ」
光る豆電球はあっという間にその口の中へと収まってしまうではないか!
彼女っ! そのためらいの無い行動力っ、まぶしいぜっ!
…その結果は、限りなく恐ろしいがな。
ガリッ、ボリッ… 「なぁに、コレ…、かみごたえ、ありすぎ―?!」
たちまち彼女の口元から紅い筋が流れてくる。
Chicken Skin Stand up、という言葉を君は知っているかね?
そう「鳥肌立つ」という意味さっ!
文字通り今俺はその心境っ!!
言っては何だが俺の彼女は、恩にはゴマ粒返し、恨みには百倍返しが身上だ。
俺は苦笑いを浮かべ、右手で顔を覆いながら天を仰ぎ叫ぶっ!
おお、俺は明日の朝日を拝められるのだろうかっ?!
やったっ、コレはいつになく見事に決まったぞっ。
彼女の右ストレートパンチが、俺の顔面に…
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