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第一章 出会いの章
TM(癒し系で)
〇早朝の奈良公園・風景
〇早朝のJR大阪駅・全景
〇早朝の大阪市街正月3日目の早朝、一日が始まろうとしている。活動し始める人々の姿。早起きして盆栽の手入れをしているご隠居、飲食店前で残飯をあさるルンペンなど。
〇大阪市内旅館「成駒屋」玄関前
門松が飾られている。仲居2人掃き掃除をしている。
〇同旅館内ロビー
チェックアウト客数人カウンター前にいる。何人かソファーに腰かけてる。玄関内側で番頭が、表で仲居らが客の見送りをしている。カウンター内で客と応対する女将。
女将(50位)「お早うございます。明けましておめでとうございます」
客男A(中年)「(恐縮して)あ、どうも。明けましておめでとうございま
す」
客男B(中年)「おめでとうございます」
女将「よくお休みになられましたか?」
客男A「はい。もう、ぐっすり」
女将「そうですか。それはよろしゅうおした(愛想笑い)。きょうは?これか
らどこぞへお参りですか?」
客男A「いやいや、とんでもない。これから新幹線で東京へ帰ります。私らビルの設備関係の者で、こちらへは仕事で来ただけですから。客先に不具合があったら正月でも休めませんよ(笑い)」
女将「まあ、それはそれは。ご苦労様でございます」
客男A「いやいや(笑い)いや、その仕事も昨日で終りまして、本当はせっか
くこうして関西まで来たんだから、どこかでこう……羽目をはずしたいんですけどね……」
客男B「ダメダメ。こいつも私も、お互い怖い山の神が家で待ってますもんで」
客男A「それそれ。こちらの言葉で、ほんまに往生しまっせって云うやつですわ(笑い)」
女将「(笑い)そうですか。それなら東京の言葉で(見得を切りながら)行かざなるめーな、ですね」
客男A「あ、うまい」
客男B「よ、成駒屋!」
女将、客男A、客男B「(笑い)」
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