長楽萬年

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「なんでこんな森の中に入っちゃったんだろう……いや、いつも通りに帰らないで、ちょっと近道しようと思ったのが原因なのは分かってるんだけどさ……」 なにも森に入らなくても!と、怖さを紛らわすために少し大きめに張り上げた声が、静かな周辺に響く。 ざわ……と風で木々が揺れ、さくらの肩がビクッと跳ねた。 「もうやだ!怖いよー!お腹すいたよー!誰か助けてよー!」 涙をぽろぽろと流しながら、遠くに向かって声を張り上げる。 すると、 『ギャーーーー!!!助けてくれーーー!!!』 「っ!?」 突然、男性の悲鳴が聞こえてきた。
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