長楽萬年
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「はぁ、はぁ……っ!」 走っていくと、木々の合間から光が漏れていることに気が付いた。 (あれは———提灯?) 赤か、はたまた橙か。 暖かいが、少し不気味さのある光に向かって、さくらは走り続ける。 そして、見えてきた光景に、思わず足を止めた。 ほのかに辺りを照らす提灯が、来る人を"こちらへおいで"と導くように、道なりに並んでいる。 その先に見えるのは、決して綺麗とは言い難い、古ぼけた神社だった。
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