第3湯 人間ならざる子

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「はぁ……」 幸恵がいなくなった事で、健一は肩の荷が下りる。 いくら幼馴染とは言え、もうお互い高校生だ。 それなのにいきなり男湯に入ってくるなんて、ユキ姉何考えてるんだよ……。 だがユキ姉がいなくなったから、やっと1人に……。 「……あ」 あ、1人じゃない……もう1人いたんだった……。 「……っ!」 健一は咄嗟にもう1人の方、少女の方を見る。 しかしすぐに視界に映ったのは、湯の上にてうつ伏せで浮かんでいる少女の姿だった。 「ああぁっ!おい大丈夫かぁっ!?」 動かない少女を見て必死に慌てながら、少女の身体を担いで急いで湯から出る。 「おい死ぬなよ!絶対に死ぬなよ!」 そして彼女の身体を仰向けに置いた後、すぐに心臓マッサージを始めた。 しかし慌てながらやっている事もあり、胸を押しているのか腹を押しているのか定かではない。 だが押す度に少女の口から噴水の様に水が噴き出された。 するとその時だった。 「ガハッ!ゴヘェッ!」 「っ!」 少女が咳込み始め、健一は心臓マッサージを中断する。 「気付いたか!?」 健一はすぐに表情を確認する。 変わらずに意識は戻ってない……だが先程に比べて呼吸が落ち着いているのが分かった。
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