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第1湯 北の国の温泉街
世界は平普界、国は日本……北に位置する日本列島の1つ、北海道。
そこには色んな観光地があるが、温泉というジャンルで他のより頭一つ飛びぬけて有名な観光地が存在する。
そこは登別温泉。
泉質が豊富である事が特徴でその数は9種類……その数は日本全国の中で右に出る地域はなく、その為色んな所からの観光客が絶えない。
そして舞台は、数ある旅館等の宿泊施設の中でこじんまりと営んでいる小さな旅館、ゆざわ荘。
「違う!何度言ったら分かる!」
時間は夜、調理場にて怒鳴り声が響いた。
そこにいたのは1人の中年の男性と1人の少年。
2人の目の前のまな板の上にあるのはマグロの切り身。
2人の関係は親子で、少年は父親から刺身の切り方を教わっていた。
「刺身は崩れやすいんだ。そんな掴むような触り方をしてたら身に負担が掛って崩れるだろう」
父親は説明するが、対して少年は反論するように言い返した。
「だって触らないと固定出来なくて切れないだろ」
「いや触るなとは一言も言ってない、がっつりと触るなと言ったんだ!それにお前の場合は触る回数も多い」
その後、父親は包丁を持って手本を見せた。
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