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更に顔は外の空気によって涼しく、身体は湯によって温かい……その絶妙なバランスが妙に気持ち良く、眠気へと誘っていく。
そのおかげで意識が朦朧としていく健一。
……………………。
やがて開いている瞼もどんどん閉じていく。
そして完全に瞼が閉じようとしたその時だった。
「のわぁっ!」
「っ!?」
突然何かが頭上から降ってきて、頭に激突した。
「イタァッ!」
ドボーン!
思わず叫ぶ健一だったが、その直後に頭に降ってきた何かはそのまま湯船に落ちていった。
それによって大量の水しぶきが顔に掛かり、健一の眠気は一気に吹き飛んだ。
「な……何だ……?」
屋根が落ちたのか……!?
健一は思わず顔を上げて確認するが、屋根は健在……どこも壊れている所はない。
だとすると何だ……屋根の上に動物でもいたのか……?
「……っ!」
水しぶきが上がった場所もとい、何かが落ちた所からブクブクと泡が上がってきた。
「やっぱ動物なのか……?」
警戒するようにまじまじと見つめる健一。
するとその時だった。
「ぷはぁっ!」
「っ!」
再び飛び掛かってくる大量の水しぶき。
それと同時に、例の何かが勢いよく湯の中から姿を現した。
「死ぬかと思ったぁっ!」
「……っ!」
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