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目が覚めると白く硬い上にうつ伏せになっていた。外からピチュピチュ…と鳥の鳴き声が聞こえてくる。 「なつにぃ、おはよう」 声が聞こえた方に顔を向けると、末っ子がいた。今俺は末っ子の上でうつ伏せになっていたのだ。 恥ずかしくておりようとすると、右には長男、左には次男がいて居場所がなかった。仕方なく、ここにいることにする。 「ふふ、寝起きのなつにぃ可愛いなぁ」 そう笑いながら俺の額に末っ子はキスをしてきた。我が推しの方が何倍も可愛いし、自分が可愛いことに気づいていない好き。 ってちがーう!!あっぶな!流されてた完全に。 大丈夫、まだ間に合う。大体ゲームにこんなルートなかった。 このBLゲームは攻略対象は少ないが、受けが長男、次男、末っ子の中から選択でき、もし長男を選択したなら次男か末っ子か総受けの三つのルートに分けられる。次男、末っ子も同じく三つのルートのみ。 ただしどのルートも咲洲棗は悪役としてでしか出てない。こんなルート存在しないのである。 俺はとりあえず部屋から出るため、ベッドからおりようとすると、腰に痛みが走り、床に座り込んでしまった。 すると長男はベッドからおりて座っている俺に後ろから抱きしめてきた。力が強く、抜け出せない。あと腰にあたってる立派な息子さんをどうにかしてほしい。 「兄さん、離して…」 「どこに行くんだ?」 長男はそう耳元で優しく囁いてきた。長男の声に昨晩のことを思い出してゾクゾクしてしまう。 「に、にいさん……」 「絶対逃がさない。どこにも行かせない。俺がいないと生きていけないような体にしてあげる」 「なに葵兄さん独り占めしてるの?俺じゃなくて俺たちが、でしょ。協定破らないでよ。棗が怖がってるじゃんか。よーしよし、滴兄さんが来たからもう大丈夫だよ」 次男は長男から俺をべりっと剥がして、頭を優しく撫でてくれる。そしてそっとキスをしてきた。そんなことしたって俺は昨日、次男が最中の俺の写真を撮ったこと忘れねえからな。 最後に今まで見守っていた末っ子がベッドからおりてゆっくりと歩き俺の前で止まる。 「なつにぃはもしかして僕から逃げたいの?」 「………」 「棗、そうなの?」 末っ子の言葉に何も言い返せないでいると、次男が不安そうにこちらを見てくる。 「えっと……、」 「棗は柚が俺たちに犯されてるところが見たいんだよな?」 「え、うん」 長男の言葉に返事をすると、末っ子は少し考えて口を開いた。 「ならさ、僕達が要求したことに答えてくれるなら、見せてもいいよ」 「え、まじで!?」 「うん、きちんと最後まで答えてくれたらね」 見たい、めっちゃ見たいです。でも絶対なんか変なこと言われそうで怖い。もう末っ子が大魔王にしか見えない。 悩んでいると、末っ子が長男に近寄り始めた。急にどうしたのだろうと見ていると、末っ子は長男のうなじに手を添える。 「あおにぃ……」 「ん…」 キッッッス!!!!!こんなまじかで最推しと推しのキスを見ていいんすか…えぇ?拝観料払っていいですか? 「どうする?なつにぃ」 「お、お願いします……」 腐男子とは、己の欲に忠実なのである。俺の羞恥一つで最推しと推しのイチャつきが見られるなら、それで良い。 「ふふ……可愛いね、なつにぃ」 「棗、じゃあ早速ベッドの上に行こうか」 「は、はい…」 緊張と不安で思わず敬語になってしまった。兄弟は恥ずかしそうにする俺を見てなんか愛おしそうに見てくる。その目を末っ子に向けてくれよ…… 腰が痛すぎて立ち上がることができない俺を、長男が姫抱っこをしてくれてなんとかベッドの上に座ることができた。 「じゃあなつにぃ、自慰して」 「……え、やだ」 急に言われたため、素直に返すと末っ子は小さくため息をついた。 「ならさっきの話はなしってことで」 「いや!それは…!」 「どうするの?」 「………します」 俺は性器を右手でしごき始める。オカズは何にしようかと考えていると、なぜか昨日の俺に挿れた時の末っ子の必死な顔や、長男のキスをする時の溶けそうな笑顔、次男の髪を耳にかけてニヤッとこちらを見てくる動作を思い出した。 すると性器はむくむくと立ち上がる。 いや、おかしい。俺はゲイじゃないのに、なんで…。 兄弟で抜いたのが恥ずかしいのか、兄弟たちの前で抜いているのが恥ずかしいのかわからないが、自分の顔が赤くなっているのがわかる。 「…あ、でる……」 「そのまま出していいよ」 そういうわけにいかないだろうと思ったが、ティッシュを今から自分で用意する余裕はなかったため、精液を出すことにした。 先端から流れてくる精液は、いつも通りの白濁ではなく、透明だった。 「え…」 「棗?どうした?」 え、これ病気?え?前世も今世も含め、精液が白濁以外出たことなんて一度もない。 「なつにぃ?」 「棗?」 「な、なんか精液が透明で…」 「あぁ、それは昨日出しすぎたからまだ精子が作られてないだけだよ。病気でもなんでもないからね」 は?いや、ちょっと待ってツッコミどころ多すぎてついてけない。 「いや、でも俺昨日そんなにイッてたっけ?」 とりあえず気になることから聞いていくことにした。すると兄弟たちは、悪びれることなくサラッと答えた。 「そりゃ、気絶してる棗のこといっぱい犯したからね。最後はドライイキしてたよ。可愛かったな~」 「ドライイキした時、目覚まして喘いでたけど覚えてないか?」 ……頭が痛いよ兄さん。もう昨日晒した自分の醜態を聞きたくないから、耳を塞ぐと、末っ子が優しく俺の腕を掴んで手を耳から離した。 「なつにぃ、さっき僕たちオカズににしたよね?」 「…へ?」 なんでバレてんだ。もうなんか混乱しすぎてやばい。情報が渋滞してる。めっちゃ気絶したい。 「あ、本当だったの?嬉しい」 「……カマかけられた?」 「うん」 もうヤダ、この兄弟。 まあ、とにかく俺は言うことを聞いたから、今度は聞いてもらう番だ。やはりここは三人にお風呂に入ってもらい洗いあいっこをーーー 「…!?んん…っ、なに、…っ」 兄弟にナニをしてもらおうか考えていると、末っ子が乳頭に口をつけてきた。 「まだお願い、全部聞いてもらってないからね。次は何してほしい?しずにぃ」 「そうだねぇ…。僕は昨日気絶した棗としか交わってないからシたいかな」 次男はそう言いながら俺の首に顔を埋め、カプっと甘噛みする。 それから、指をゆっくり挿れてくる。昨日よりもずっと気持ちがよく、イイところに当たる度、体が跳ね上がる。 声も出さないよう努力はしてみるものの、末っ子と長男が参戦してきて耳や前、口を弄られ耐えられず、よがり声が出る。 そうして、じっくり次男にいただかれたあと、長男もシたいと言い出しいただかれ、一回意識を飛ばしかけた。末っ子に叩き起されたけど。 長男の相手が終わり、やっとゆっくり出来ると思ったあと末っ子が俺の上に乗ってきた。 「次は僕の番だね」 「柚の要求にはもう答えた」 「そうだね。じゃあ僕とシてくれたら、お風呂で洗いあいっこに加えて、湯煎に浸かりながらシてもいいよ」 本当にこの弟はどこまで俺の考えを読んでいるんだろうか。そういう謎の力は長男と次男に発揮してほしい。 だが湯煎に浸かりながらプレイは超見たい。お湯がナカに入って大変なやつですよねわかります。 「どうしよっか、なつにぃ」 「お相手させていただきます」 「…ふふっよろしい」 俺は末っ子の罠に自分からかかりに行き、無事失神した。 ♢♦♢ 兄弟たちは眠っている棗を愛おしそうに見ている。棗はスースーと寝息を立てて起きる気配はない。 「なつにぃの寝顔可愛すぎ。はー、抱きたい」 「それには激しく同意。でも僕お風呂で兄さんと柚と洗いあいっこなんてしたくないんだけど」 「俺もだ。するなら棗とがいい」 「そんなの僕だってそうだよ。なつにぃには『なつにぃが寝てる間にシちゃった』って言って誤魔化そうかなって」 「それはさすがに無理があるだろ」 「棗もそこまで馬鹿じゃないよ」 「そこは失神したなつにぃが悪いんだから。見たいなら、もっと僕たちの要求に答えてもらわなきゃ」 「あー、それいい案かもな。俺たちが要求する度に棗を失神させればしらを切れる」 「でもさ、いつかは必ず要求を呑んでくれなくなるでしょ」 「そのいつかが来るまでに堕とすんだよ」 「それはいいね」 「早く俺たちのところまで来てほしいな」 「本当に」 兄弟たちの会話はもちろん棗に聞こえていない。今頃夢の中では兄弟たちがイチャついているのだろう。 そんな棗が兄弟たちの愛を受けいれ、堕ちるのは、もう少し先の話。
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