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隆尋は廊下ではなく教室内で、啓輔とすみれが帰り支度を終えるまで待っていた。一人走り去った雅咲の事を忘れた訳ではないが、啓輔とすみれを後回しにも出来ないでいた。
友達に順位はつけられない。
啓輔とすみれも恋人中心にはしない。友達をおろそかにはしない。
「なあ、今日この後、皆でどっか遊びに行かないか?」
啓輔からの誘いに、
「うん。行きたい!」
と、すみれは明るく賛成したが、隆尋はイタズラっ子の表情で啓輔とすみれを茶化しはじめる。
「すみれと〝続き〟をしなくて良いのかよ?」
すみれは隆尋の冗談を真に受けて俯いてしまい、赤面して黙りこんでしまったが、啓輔は得意気になって受け答えた。
「〝続き〟は邪魔の入らない場所でするよ」
「おー、おー。そうですか」
先程は重苦しかった教室内も、今は和気あいあいとした談話室のようになっている。
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