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啓輔がスマートフォンを取り出して、ここにはいないもう一人の大切な友達の所在を確認しようとする。
「詩帆はもう家に帰ったかな?」
それを聞いた隆尋が詩帆の性格判断をする。
「詩帆は来いっつったら来るだろ。むしろ呼ばなかったら詩帆は怒るんじゃないのか?」
「それもそうだな」
「詩帆も呼ぼうよ! その……詩帆に話したい事もあるし……」
すみれは啓輔との関係を詩帆に打ち明けるつもりだ。
そして、隆尋は雅咲の目的を啓輔とすみれに話す。
「今日、雅咲の好きなバンドのベストアルバムの発売日なんだ」
「そうなのか? それじゃあ、オレも一緒に付き合うよ」
雅咲の都合に「付き合う」と即答した啓輔に隆尋は感謝した。
最も、隆尋は違った意味でも雅咲と『付き合いたい』と思っているのだが ――――。
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