第2章

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     啓輔がスマートフォンを取り出して、ここにはいないもう一人の大切な友達の所在を確認しようとする。 「詩帆(しほ)はもう家に帰ったかな?」  それを聞いた隆尋が詩帆の性格判断をする。 「詩帆は来いっつったら来るだろ。むしろ呼ばなかったら詩帆は怒るんじゃないのか?」 「それもそうだな」 「詩帆も呼ぼうよ! その……詩帆に話したい事もあるし……」  すみれは啓輔との関係を詩帆に打ち明けるつもりだ。  そして、隆尋は雅咲の目的を啓輔とすみれに話す。 「今日、雅咲の好きなバンドのベストアルバムの発売日なんだ」 「そうなのか? それじゃあ、オレも一緒に付き合うよ」  雅咲の都合に「付き合う」と即答した啓輔に隆尋は感謝した。  最も、隆尋は違った意味でも雅咲と『付き合いたい』と思っているのだが ――――。       
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