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「ねえ、ねえ、渚紗も歩菜も、めりると話して大丈夫なの?」
柳田璃夢が怯えながら渚紗に耳打ちした。
璃夢のベージュ色に染められた髪が頬を覆い隠す。それを璃夢が軽く耳にかきあげる。
「うん、大丈夫だよ」
自信満々に答える渚紗の顔を浜藤星歌が不思議そうに覗きこむ。
璃夢も星歌も、歩菜と同じく高校に入学してから出来た女友達だ。
社交的で人懐こい渚紗は自然と人を寄せ付ける魅力がある。それは渚紗と一緒にいると楽しいからだ。明るい気分になれるからだ。
ムードメーカーというものは自ら宣言するものではなく、周囲の人達の評価によって決まるものだ。
今はまだ、渚紗とめりるの関係はぎこちないけれど、これから少しずつ打ち解けていければ良いなと、仲良くなれれば良いなと、ごく普通の友情を築いていけたら良いなと渚紗は切望しているのだ。
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