そして

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 それから数か月経った今、冴子は刑務所に服役中の義雄に会いに行く。別に何を期待しているでもなく、ただの暇つぶしに。刑務所の中を見てみたかった。 「何で刑務所なんかに入ったの? 黙ってればばれるはずないのに」  冴子はその事がただ疑問だった。 「お前のためだよ」 「え?」  自分のためだとかそんな事言う人間は信用できない。今までそうやって生きてきた。 「お前はこの世に真実なんか何もないと思ってるだろ? だけどそれは違う。俺が証明してやる。俺がここを出る時まで、信じて待っててくれたら」  何を言ってるのかわからない。 「一緒に暮らそう」 「何言ってるの?」  冴子は今でも義雄の言った言葉の意味を考えている。 「いつかお前に本当の事を教えてやるよ」
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