奇巌病の幼馴染み

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「慰めてやる」 「バカ。そんな同情、いらない」 またプイッと顔を逸らされた。 「同情なんかじゃない」 「じゃあ、何よ」 「そうだな。まあ、振られたもん同士の、慰め合いってとこかな」 「……浩樹も、振られたの?」 「まだ分かんね」 「返事待ち?じゃあ、いつ分わかるのよ」 「優奈の告白相手次第」 「……意味分かんない」 「察しろ、ハゲ」 「ハゲてないもん」 「痛って」 優奈がカバンを太ももにぶつけてきた。 「じゃあ。察しろ、岩石」 優奈の頭をガシッと捕まえてやった。 指先にゴツっとした感触の他に優奈の柔らかい髪の毛が触れて、少しだけ頬が緩んだ。
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