奇巌病の幼馴染み

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「心が優奈なら、もうこの際奇巌病のことは受け入れる。だから、俺と付き合って下さい!」 「バカっ」 「え?な、何でバカ?俺なりに真面目な告白だったんだけど」 ゴメンや良いよではなく、バカ!? 「浩樹が先に告白しちゃったら、私が告白出来ないじゃん。バカ。奇巌病治んなかったら浩樹のせいだから!」 「え?それってどういう……」 「察してよ、バカ」 また太ももにカバンが当たったが最初よりも全然痛く無い。 「え?もしかして、優奈の好きな奴って俺?俺なの?」 「知らない。教えないもん」 「いやいやいや、いつからだよ。何だ、それなら早く言えって」 プイッと顔を背けて先を歩き出す優奈。 それを慌てて追いかけた。 陽はもう殆ど山に吸い込まれ辺りは暗さが増す。 優奈が今、どんな表情をしているのかと想像するだけでニヤニヤが止まらなかった。
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