エピローグ 〜エクボ〜

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エピローグ 〜エクボ〜

翌朝、俺は日の出より早く起きて、優奈の家に向かった。 昨日の帰り道を思い出す。 『浩樹、昔からモテてたでしょう。なのに誰とも付き合わなかったじゃない?だから、私なんかが告白してもってずっと思ってた。それに、普段バカ言ってるくせに変な所で優しいから、告白しちゃったらきっと、あっさり良いよって言うんだろうなって……。そう思ったら告白できなかった』 表情は奇巌病のせいでわかりにくいけれど、きっとはにかんでいたんだと思う。 可愛い奴、とか思い出してまた勝手に顔がニヤつく。 ドキドキしながら二階の角にある彼女の部屋の窓に向かって小石を投げた。 やがて窓が開く。 「……おはよう」 優奈のチャームポイントのエクボがペコっと引っ込んでいるのが階下からでもわかって、思わず拳を更に強く握った。 了
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