副主将の瞳避けながら

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我らMother・F剣道部の、稽古の後のランチタイム。 それは、「いつもの店」 それで通じるMother・F剣道部御用達。 祝勝会をはじめとした宴会で使われる 「いつもの店」 本当の店名はあるけれど、この名前で呼ばれてる。 本当の店名知るのは幹事として予約とる時なんだけど。 本日は…東京都下にある二つの工場 そこにある剣道部の交流会。 美味しい料理とお酒のこの「いつもの店」 趣深い中庭に面した部屋は、実に素敵だ。 試合の後の祝勝会とは違って 似つかわしくない派手なお姉さんも いないから、余計になんだかいい♪ けど、慶司がいればもっといいのに……な。 ちょっとしたトラブルもあったけど 交流会を兼ねたランチタイム。 始まってもうすぐ…2時間 時計を見る。 時計の針は、午後3時過ぎ。 慶司……帰ってきたかな? なんてふと思う。 帰ってきたか?どうか? それはわからないけど、凄く会いたい… 防具などの剣道具一式は、部室に置いてあるしとても身軽な私。 抜け出して、神皇子市にあるMother・F・2nd その近くの住宅地の中の、ワンルームマンションの慶司の家に行こうと考えていた。 交流会中に抜け出しちゃえば、 同じワンルームの2階に住む城島にも バレないで慶司の帰宅を待っていられる。 だけど、あのトラブルで…乾さん 私たちのテーブルで飲んでるし、ちょっと抜けにくい。 まいったなぁ。 「どうした?響… 時計を見たり、バッグ持ったり 落ち着きないな?」 なぁんて…一番、あまり話したくない 乾さんに声をかけられて 「えっ!そんなことないですよォ」 無理やり笑顔で答えたり… なんだか疲れる。
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