副主将の瞳避けながら

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電話するよりも、思い切った事を考えていた。 ランチタイム兼ねた交流会参加してどこかで こっそり抜けて、慶司の家に行こう!って。 でも、ちょっと迷ってる。 まずは、時間の事。 夕方には帰って来る予定、そう聞いている。 普段の土曜日のMother・F剣道部のランチタイムはいつも長くて、それくらいになる。 慶司と私と城島とこそっと抜けた事もあるから、バレない自信はある。 その辺はいいんだけど、迷ってるというのは、ひとつは、恋人だからって…突然家に行くと言うことはいいのか? もうひとつは、慶司が住むところは 会社借り上げのワンルームマンションで そこには、城島を含めた知ってる奴らが 慶司と同じ2階に住んでいること。 万が一、万が一よ?見られたらめんどくさい。 うーん協力者がいれば……。 例えば、慶司の同期の松岡さん? 私と慶司がこういう仲になったのは ある意味、松岡さん関わってるし……。 (※剣と恋は両立出来る?…初恋編 P651を参照にしてね。) 悩みどころだ。 「山口ちゃん〜♪最後に稽古しよッ♪」 悩む私に、呑気に間延びした声で WEST・F剣道部の主将・君嶋さん(36歳)に 呼ばれ 「はいっ!お願いします!」 頭の中の慶司の事、切り替えた。 だって、今は稽古の時間だから。 時計の針が正午を半分も越えた頃 Mother・F剣道部と、West・F剣道部 両工場合同稽古が完了した。
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