副主将の瞳避けながら

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「──未成年には、飲ませんなよ!」 渡辺さんの忠告虚しく、私達新人部員達の手にも、Mother・F剣道部名物 『生グレープフルーツサワー』 ただし、ジュース多めのものが渡される。 それはそれでおいしいけど、時間が経つにつれ男子たちはサワーからビール手にしてる。 「飲ませんなよ!」 そう言っていた渡辺さんも…… 「WEST・F剣道部みたいに うちも新人部員多ければなぁ〜 どうだ?お前ら異動願い出してこっち来ないか?」 なんて飲ませてるしー。 おいおい、ダメでしょ! 「あぁもう!!山口ィ ムカつくのよッ!」 滝川さんてば絡み酒だ。 たち悪ぃ〜。 「何が… 『私の目標は…真面目にでも、 楽しく好きな剣道をしたいです♪』よっ! 私の目標は多摩地区実業団女子個人制覇なのに なに、可愛子ぶってるのよォ」 ポロシャツの襟掴まれて ガクガクさせられてる。 あぁ…ウザッ! …って言うか…あまり襟元、 広げて欲しくないんだよね〜。 数日前、慶司と…ふふふっ♡ まだまだ跡が、歯型が、付いてるし… もし…テーピングや絆創膏剥がれたら… それにしても…何故…滝川さん ここまで…絡むのさ。 高校ん時の最後の試合だって… シンプルに、私がから 出た結果なのにさ…! めんどくさいなァ〜 うーん…潰すか! そう決意して、 「まぁまぁ…滝川っち!飲んで飲んで♪」 その辺の空いてるジョッキを滝川さんを なだめながら持たせて…ビールを注いで 「ほらほらー♪お互いの秋季大会での 活躍に〜乾杯〜!」 だなんて乾杯する カチリ!と涼しい音がした 「おっ!俺らも混ぜろや!」 近くで変な盛り上りの男子たちも 混じって…もう一度…乾杯! まだ昼なのに。
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