副主将の瞳避けながら

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「騒ぎ過ぎだッ!」 先輩部員達は、私たちのジョッキを 取り上げた。 「響、滝川さん…特に君達は女なんだから」 私達女子新人部員の、ジョッキを取り上げたのはよりによって…Mother・F剣道部(ウチ)の副主将・乾さんだったわけでって言うか いつ近くに来た? 「誰だァ!未成年のガキ共に飲ませたのッ!」 渡辺主将の問いに、 「ナベちゃん」 「ナベッチ」 「渡辺主将」 「なべさん」 あちこちから、その犯人の名が上がる。 いやいやなべさんだけじゃないだろ? そんな味方する声もあったりする。 「そもそも、この乾杯騒ぎは誰だ?」 その質問に男子同期達の指が、私と滝川さんに向けられた。 「ふぇ?違う〜違う〜ッ! あんた達が、私たちの乾杯に 混じって来ただけでしょーがッ」 そう反論したけど、あの春の地獄?の、新入社員研修を2週間乗り越えた同士、男女関係なく仲も良かったせいもあって、男女新人同士の揉め事に……なんてことも無く 「いやぁ〜響と滝川さんが 楽しそうだったんでぇー 俺らも混ざったんですよ〜」 城島がまず言い、その言葉に真鍋くん達も 私と滝川さんも頷き、いっせいに…… 「すみませんでしたァァァ!」 謝って、この話は終わった。
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