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時は、昨年の秋に遡る。
この時、彼女は高校三年生。
お嬢様学校で有名な女子高で剣道部としては無名。
それもそのはず、同好会から昇格して創部二年目。
インターハイ出場目指して予選頑張っていたが、最大の欠点である『スタミナ切れ』で
東京都代表に一歩届くことがなかった。
それが、高体連としてのこの女の実績。
しかし、運命の女神は見捨てなかった。
桜乃鷹市のとある道場。
彼女は、桜乃鷹武道館の門下生であった。
その看板背負ってさりげなく実績を重ねていた。
高体連とは違う一般的な剣連の大会実績。
さらに遡って中学生の頃、中学校に剣道部がないので、剣道連盟、道場連盟などの大会に
桜乃鷹武道館の看板背負って活躍していた。
中三の夏、桜乃鷹市の幼小中高有する私立学園の特にスポーツに特化したK高が
毎年恒例で中体連以外で活躍する中三を招き
夏休みの後半にセレクション兼ねた
夏合宿を行なうのだが、そこに招かれ
お眼鏡にかなって声がかかるも、
K高の監督が変わったためと、部員の雰囲気
彼女的には最悪で、
「楽しい剣道をしたいから」
なんて言い、その高校ではない女子高へ。
父親が、そこの一期生だったけど
それは昔の話だし、彼女には関係ない。
しかし…!
運命の輪からは逃れられない!
剣道同好会が剣道部に、高体連で予定外の活躍を見せ、とある企業から声がかかった。
尊敬する古文の担任に憧れて、高校の系列の大学進学予定だったこの女。
声をかけた人物が赤子の頃から知り合いで
口説かれて…根負け。
社会人剣道がどんなものか?
ちょうどその人物の所属する企業が主管。
その建物の中の体育館で多摩地区一帯の実業団剣道部の秋季大会が行われ、一応見学にでかけた。
そこで出会ったのが彼女の想い人。
長瀬慶司ーーーである。
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