久しぶりの自宅・久しぶりの家族

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「普通にそのままの意味よ。 アンタが、子どものうちに先方から打診されたの。次男が気に入ったからって とにかく、本人の気持ち優先だから お父さん、それを条件にしていたし」 花のように母さんは笑を浮かべ 「私は、自分の娘にもちゃんと恋愛して結婚して欲しいもの……。 それは、お父さんもそう思ってるのよ こう見えて私とお父さん恋愛結婚よっ! だから…それを条件にしたのよ あの時、あなたは小学生で、あなたを気に入ったあちらの坊ちゃんも学生さんだったし…」 「…なに?それ?」 ますます疑問が湧く……。 「どこの誰?それ」 だけど、それを追って聞く気にもならない。 母さんは、それが誰なのか?知っている様子だ。 「響、次にケイ君に会うのいつ?」 私の新たな悩みつくった母さん。 のんびりと聞いてくる。 「えっ?あっ!…慶さんに会う日? いつ…って?日曜日にでもって 長野のお土産もあるからって…」 “長野 ”そこに食いついた母さん… 「まぁ長野なの?」 目を輝かせ 「お義父(じい)ちゃんと同じね あの苗字(※)あの辺だと思っていたから」 嬉しそうに言う。 私のルーツの半分はこの母の東北と、あの父の父…つまりじいちゃんの故郷長野県にある。 慶司のルーツも長野県……。 なんだか…不思議な感じで縁も感じる。 「お土産…なにかしら? 野沢菜漬け?蜂の子? お蕎麦かしら〜♪」 「いやいや、たぶん、蜂の子は無い」 なんだかんだと長野県の美味しいもの じいちゃんのおかげで知ってるけど 蜂の子だけは私の中には無い。 味は良くても見た目が…いや。 「おいしいじゃない?」 そういうくせに、母さんもちと苦手という事を私は知ってる。 何気ない話し、そう言えば最近してなかったなぁ……。 コーヒーが無くなった頃、私は荷物洗濯しなきゃと立ち上がった。 その時、 「響、日曜日会うのなら 出来ることなら、ちゃんと帰りなさい 働いてるけどあなたはまだ未成年で 女の子なんだからね… 私は…構わないけど、ほら、お父さんが… 成人式迎えるまではって♪」 母さんの親としての忠告。 子供三人とはいえ、私は唯一の女の子。 心配してくれてるのわかってるから、「はい」と聞き入れるけど、その裏は…万が一私が恋愛しなければお嫁に早々に出す相手のために あまり余計な虫がつかないように、なんちゃらなためか? 初めて知った私の未来の事。 それだけになんだかなぁ……だけど、私には気持ちを通わせた人がいるから、父さんが知り合いと勝手に決めたことチャラだ♪ (※しっかり長野県にある苗字です)
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