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ここでの稽古にはじめて参加した時は、免許持ってる父親が、農園の軽トラで町道場に送ってくれた。
免許持ってる今は、軽トラ借りて町道場へと向かう。
去年の今頃もこんな調子だった。
ひとつ違うのは……慶司には恋人が出来た事。
そこまでのプロセスを国分は、一度は敵対視した「山口響」…彼女に対し、剣道取っぱらって非常に羨ましがっていたわけで……。
国分は、まるで女っ気のない慶司に対し、
「長瀬の方がカッコイイのに、モテないのなんでだろうなぁ〜♡♡
普通のツラの俺の方が女の子達にウケるもんなぁ〜」
ウケるとモテる。
それを勘違いしてそちらについては、
「オレの方がモテる」と、上から目線であった。
そんな奴が、羨ましがってる!
相思相愛…ふふふっ相思相愛という事
その事を羨ましがってる!
慶司の頬は緩みきっていた……。
コイツに比べていい恋愛してるよなぁ
なんて……。
「ンで…やはり処女だったろ?」
……やっぱり、そこいくか?
慶司は思ったわけで、昨夜のあの時を思い出す。あの感動的な時間を。
同期の松岡のアドバイスの様に……。
いつか見せられたエロビデオの様に……。
SEXマニュアルbookそれにあった様に……。
いつも自慰する時の妄想の様に、実際の彼女にとろけるような気持ちいいキスをして、お互いの身体を見せ合い抱き合って……。
元々、敏感過ぎるのだろう何度もその肌を触れ味わって……。
慶司は思い出す。
あの豊かな乳房の柔らかさと感じて固くなった乳首に唇を寄せ吸った時の響の艶ある声。
あぁ…やべぇ…♡
なんとも言えない響の表情は、色っぽくてせつなく。
恥ずかしながらも感じて何度もイッてくれて……ようやくとろりとしたそこを一気に貫いた瞬間をまた思い出す…。
狭すぎる所押し拡げて、ズゥンと奥に到達した時、一斉にゾワゾワとまとわりつく襞という襞がなんとも言えない締め付け感とヤバすぎる程の気持ちいい感覚を……。
それに比べて、初体験のソープのクソ女。
奢ってくれた先輩の山本さんにゃ悪いけどガバガバで、緩すぎて気持ちよくもなかった。
仕方ないから自慰する様に動いて終わらせたけど。
それに比べてると、響のは天と地の差程もある。
思い出す…繋がった時を……。
痛がってるけど、俺の事を心配していたのを。
「慶司の痛くないの?」
苦しそうにしながらも聞いてくる。
あの可愛さを……。
溶けてしまうくらい気持ちよくてなによりも幸せで。
行為を終えた後、たっぷりの愛し合った証拠の乱れたシーツに僅かな血のような色味。
あれが、きっと乙女だった証だ。
「まぁな…」
思わず慶司は…つぶやきニヤついた。
それに国分は嬉しそうに食いつく。
「じゃあさっ!大変だったろ?
なかなかキツくて挿入らなくて
風音ちゃんさ、痛がってさぁ…
シーツやチンも血だらけになって…」
本命の例の響と同じ歳の元カノ。
名を藤森風音と言う。
それを聞いて……
「ガツガツと自分勝手に突っ込んで
ヤッたからじゃねえか?
SEXは女の子傷つけるンだから
大切に扱って感じさせて濡らさなきゃ」
松岡の完全に受け売りだ。
ちょっとだけ、国分の上になりたかった気分だ。
「うーん……」
苦い顔している国分が、ちょっとウケると慶司は思った。
これから始まる、慶司には天国の町道場での稽古。
その道中こんな事があった。
しかし…慶司は知らない。
響が初めてなのにここまで、感じやすくなってるわけを……。
元々敏感なのに加え、すでに……。
それは響の所々消えてる記憶。
少女だった頃の記憶にある事を、響自身も
全く知らない……。
それが……もっと未来……、彼女の人生狂わす事を、今はまだ…知らない。
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