④アラカン想い出物語 (春編)

【日常】

５時５０分。

いつもの朝時間。

目覚まし時計が、叫び出した。

う～んと、伸びをしてから、叫びを止めにかかり、カーテンを開け、眩しい日差しを浴びた後に、ラジオのスイッチを入れる。

スイッチを入れると、朝に相応しい大人の声。

そして、ＤＪの選んだ素敵な曲が流れる。

何も変わらない日常。

しかし、その日、８２歳の男の運転していた車が、ビルから出てきた人達を、次々に撥ね飛ばし、全員の命を奪ったそうだ。