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エピローグ
その後、村はいけにえをささげなくとも雨が降るようになり、村人たちはおびえて暮らさなくともよくなりました。
ヌシ様は五平が倒したことになり、彼は若いながらも新しい村長になったのでした。
何年かの後、五平は都に用事で出かけ、せっかくだからと大きい神社に立ち寄りました。
そこにはなんと、オサキにとてもよく似た美しい巫女様がおりました。
「あ、あんた……」
五平は何かを聞こうとしましたが、彼女はあでやかな笑みを浮かべると、
――あの時はありがとうございました。
彼の心の中にだけ聞こえる言葉を残し、本殿へと姿を消してしまったのでした。
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