弦月の夜

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美味しいディナーを終えて、再び海の方にやってきた。 綺麗な弦月が観覧車を照らしている。 ハルは時々、見栄えの良いところを見つけては、私を立たせて写真を撮った。 一眼レフのレンズの中で、絞りがく、くっと動くのをじっと見る。 そうしているとシャッターの音が聞こえて、 ハルはディスプレイに写った画像を確かめながら嬉しそうに私の方にやってくる。 「とっても綺麗」「可愛い」「この表情ほんと素敵」 ハルは決まって私の映りばえを褒めちぎる。 出会った頃からそうだった。 もちろん、私もまんざらではない。でも、 そう見えるのは、ハルの写真が上手いからじゃん。 私が綺麗だからじゃなくて。 だから私は負けじと、自分のスマホでハルのことを撮ってやる。 コスモワールドの中の、西欧風の可愛らしい建物が並んでる小道で、 ランドマークタワーを背景に私を撮ろうとするハルがカメラのファインダーを覗き込んでる姿を、 すかさずスマホで撮った。 ついでにそのあとのハルのびっくりした笑顔まで。 写真に熱中しているハルは、なんだろう、 とてもカッコいい。
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