前編

2/9
前へ
/16ページ
次へ
 で、不満の声が広がる首都ムーバに訪れたコーショクは、まずターラーと共同で或る空き地に小屋を建てコーショク機織り店と銘打って看板を掲げた後、各区の自治会に飛び入り参加しては皆の前でこう言った。 「皆さん!私はサリー区ミラバラ町にあるコーショク機織り店の店長コーショクと申します。皆さんにお願いがあるのですが、私が頭の良い人にしか見えなくて馬鹿には見えない美しい模様と色彩が施された、この世のものとは思われない不思議な布を作れる男を雇ったと噂して欲しいのです。そうすれば、噂を耳にした女王は、いい服には目がないだけに絶対、その布で服を作らせ着たがるに違いないです。実は頭が良くても見えない有りもしない布で出来た服をね。だから今度のパレードで女王を裸にして笑い者にすることが出来るんです。どうです、皆さん協力してくれませんか!」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加