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正直者がこれだから他の大臣も嘘ばかりつき、コーショクが5百万エンで仕入れたという材料についても見えないのに褒めちぎって報告し、機織り機で織るふりをするターラーについても褒めちぎって報告する上に有りもしない出来上がった布のことをべた褒めして報告するのだった。
それを真に受けたマリー女王は、大いに喜んで早速、使いの者に一千万エンを渡してコーショクに与えて飛び切り上等な服を作らせるように命じた。
それに応じてコーショクは、大臣が様子を見に来る度にターラーに機織り機で布を織るふりをさせ、服を作るふりをさせて大臣を悉く騙し続けた。
そうして合わせて1500万エンをぼろ儲けしたコーショクは、その1500枚の金貨を何本ものインゴットに替えるべくターラーをタイムマシンで200年後のナムズ国に帰し、自分の経営する鋳物工場で従業員と共に働かせた。
それからコーショクはキエラ大臣に服が完成したと伝えると、キエラ大臣から伝え聞いたマリー女王の命により翌日の午前10時に有りもしない服を携え、ムーバ城に入城し、謁見所で待機するマリー女王の前に跪くことになった。
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