ガラスの靴

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 コン、コン。  背後からドアを叩く音がした。 「儂だ」  父王の声である。 「今、開けます」  急いで窓を閉め、寝室の閉じられたドアに向かう。  途中の暖炉の前を通り過ぎる瞬間、ふわりと生温い空気に包まれて肌が粟立つ。  随分、冷え切った窓際に居たようだ。  少し暖かい所に移ったからこそ肌に寒さの感覚が蘇る。
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