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「時に、エルの上の娘とロブの跡取り息子が婚約したそうだ」
エル、ロブとまるで息子の自分より幼い少年のように呼ぶが、父王と同世代の貴族たちである。
「この前の舞踏会が両家の縁結びになったようだな」
ランプの灯りを眺めながら父王はどこか苦く微笑んだ。
「それは良かったですね」
正直、どちらが姉でどちらが妹かもはっきりは思い出せないが、あのエル侯爵の継娘たちが良縁に恵まれたのなら良かったと素直に思う。
女性としては惹かれなくても人としては好感の持てる娘たちだったから。
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