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暴かれた罪
駅と言えば、もちろん思い浮かぶのは電車。
次に思い浮かぶのは、なんだう。
改札?ホーム?駅弁?
まぁー、人それぞれ想像するものが違うだろう。
何を想像しようが人の勝手であるが、ここに想像が度を越えた外道が一人いた。
そいつは、30代半ばのサラリーマンの男。
男は駅構内の昇りエスカレーターを使い、ホームに向かっている。
目の前には女子高生が立っており、男はその子のスカートをチラチラと目の端で見ていた。
そして、辺りを何食わぬ顔で見回した後、誰もいないのを確認すると片手に持っていたスマホをサッと、その子のスカート下に忍ばせた。
時間にして数秒ほどであり、その子も誰も気づかぬまま、スマホは一枚の写真を撮影した。
急ぎポケットにしまわれたスマホ。
男からすれば、任務は無事完了され、罪は闇に紛れたと思っていただろう。
だが、数分後、、、
「ちょっと、君!!」
ホームで電車を待っていた男は、驚き振り返る。
見ると、駅員が自分を呼んでいた。
そして、駅員の隣には、先程の女子高生が。
「何か?」
「何かじゃないよ。これ君だろ!?」
駅員は手に持った一枚の写真を男に見せた。
見ると、そこには先程エスカレータで男が女子高生のスカートの下にスマホを忍ばせる場面がばっちりと写っていた。
「え?」
「え?じゃないよ。さぁ、ちょっと事務所で話を聞こうか?」
男に言い逃れする術はなく、コクりと頷くと駅員と歩き出した。
うつ向く男。
その視線の先には駅員の持つ写真が。
そして、男は写真の裏に書かれた何かサインのようなものに気づく。
そこにはこう書かれていた。
『T-King』
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