驚きの連続

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驚きの連続

女子大生風の子は、店内を見回すと店の中心付近の席に座った。 その正面には先程から、コーヒーを飲みながら本を読む男が。 一つ断っておくが、俺は誰かれかまわず人を疑っているわけではない。 そしてもう一つ、これは避難を浴びる言い方だと分かった上で言うが、女性の身なりが危険を自ら呼び寄せていることは否めない。 今入ってきた彼女は、後者による危険があった。 短めのスカート、胸が強調されるピタッとした服。 既にツーストライク。 「あ、あの。すみません」 弱弱しい声でおどおどした感じ。 スリーストライク。アウト。 その人の個性は誰にも否定することは出来ない。 だから、彼女が悪い訳ではない。 けれども、彼女のそのどれをとっても危険。赤信号点滅が俺には見える。 彼女の正面に座る男に今一度目をやる。 すると、本を読むその目は、チラチラと胸や足に視線を泳がせていた。 ただ、それだけは俺にしてもどうすることも出来ないことであり、同じ男であれば致し方ないことであるようにも思え、後はその場の流れを観察することにした。 それから30分ほど経った頃、男が席を発った。 それから10分後、彼女もお会計を済ませ店を出る。 俺の中でピンっと張った糸は緩まり、俺も店を出ることにした。 店を出た後は、街をグルっと見回り家に戻る事にする。 電車に揺られ、外を流れる景色を見ながらも、車内をなんとなく観察した。 その時、目の端に入った人物に目が止まる。 それは、先程喫茶店で見た女子大生風の子だ。 周りはほとんどスマホに目をやる中、その子は俺と同じように外の風景を眺めていた。 一駅、また一駅と人が降りていく中、彼女はずっと外を見ている。 そして、気づけば俺が降りる駅に着いていた。 駅に着き降りた時、俺は驚いた。 何故ならば、彼女も同じ駅で降りたのだ。 あまり利用者が多いとは言えないこの駅。 何年もこの駅を利用しているが、彼女を見た記憶がなかった。 まぁ、それはたまたま見たことがなかっただけかもしれないし、見たことはあるけれども忘れているだけなのかもしれない。 俺はそう思い、改札に向かった。 けれども、驚きは続く。 改札を出た後も、彼女は俺と同じ方向に歩くのだ。 歩けども、歩けども、数メートル後ろを歩く彼女。 そして、とうとう俺が住むアパートの前まで来てしまった。 驚きはあったものの、偶然に違いないと思い、俺は部屋に向かった。 しかし、次の瞬間、 「あ、あの、すみません」 振り返ると、こちらを見つめる彼女が。
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