1.どうしてこうなった。

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「どうしたのさ、会長に感謝しな?」 「会長は本当に優しい方…」 「おい!人の物壊すとか最低だぞ‼︎」 目の前のモジャモジャ頭が、男に指をさして説教を始めようとする。 「何黙ってんの?アイツ…」 「感謝も言わないとかありえないんですけど‼︎」 「本当クズだよな!」 周りの声にぷっちーんと頭の中で何かが切れた。 いや、周りの声?違う。雑音だ。 黙って壊れたヘッドホンの部品を集める。 ふと、丁寧にそれを集める手が視界に見える。 「宵…。」 心配そうな大祥の声。 「大丈夫だ。」 「…でも…」 不安そうな、悲しそうな顔。 お前がそんな顔してんじゃねえよ。 …けど、まあサンキューな。 お前が代わりに悲しそうな顔してくれたから、 オレは少し気取った態度で、不敵に笑ってやった。 「忘れたかよ?"私"はクズなんだぜ?」 破片をテーブルに置いて、ゆっくりと立ち上がる。 「少しばかり、教育したりますか。」 そのまま立ち去ろうとする生徒会と、ざわついた空気にオレは一言、啖呵を切った。 「流石、恐れ入ったよ。バ会長サマ。」
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