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「あ…?」
空気がまた静まり返る。
会長はこちらを向く。そう、向いてしまった。
なら、オレの勝ちは、確定した。
ニヤリと口元を釣り上げ、目の前のバカを見据える。
「今なんつった…平民。」
「難聴まで患ってるとは恐れ入った。もしや留年繰り返して若作り必死なジジィだったりするのか?」
「あぁ⁉︎」
「会長様になんてことを!」と周りからバッシングの嵐が起こるが、無視をして続ける。
「頭は赤子レベル、体ばっかり大きくなって、耳は年寄り。救えないな、会長サン。」
「貴様っ…」
会長が手を振り上げる。だが、
「おや、口で負ければ手を出すのか?""慈悲深い"会長サマ。」
「っ…、頭が赤子レベル?それは貴様のことだろう!俺は全国でも一位を…」
「全国一位?それが何になる。」
「そんなの将来のキャリアの為に…」
「点P追っかけて出世できるなら誰でもやってる。お前の将来は紙の上で決められるもんなのか?」
「点数化は総合客観視点でも合理的だろう‼︎」
「それはどうやって役に立つ?具体的には?」
「それは…っ…」
「考えたことなかった、だろ?
目に入るものに疑問を持たずただ盲信し執着する。
お前は誰かが与えるものを受け入れ、腹を満たして生きることに執着するだけの赤子にしか過ぎない。品もクソもない、ただの赤子だ。」
「…品がないのは貴様だろう。この学園に平民として来たのだ。その分際で何を抜け抜けと…!」
「あのなぁ…確かに金持ちの大企業の跡取りってのは国を支える重要なヤツだ。実際、文明や社会への貢献率はオレらみたいな庶民よりも高いと思う。」
「っは…‼︎分かっているじゃねぇか。お前のような庶民に分からないだろうがな?企業を立ち上げるのにどれほどの時間と労力が必要かが!」
「ああ、そうだな。オレは庶民だからそれを成し遂げる奴らの凄さは想像つかない。」
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