1.どうしてこうなった。

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…風の吹き抜る屋上はやけに涼しかった。 あのまま教室に戻る気にもなれず、人気のない場所へふらふらと移動していたら、いつのまにかこんな所まで来てしまっていた。 いや、それよりも (やっちまったなぁぁ…) よりにもよって、教師より権力が強いという謎の補正持ちの生徒会…しかも会長から喧嘩を買ってしまったような気がする。いや、売った。絶対あれは売られた喧嘩を売り返した。 転校…?無理…!あ、帰りにちゃんと靴持ち帰らないと水びたしにされるか?確か親衛隊とか居たよな…うわぁ死亡フラグ…。 てかさっき、殴られた頰が無茶苦茶痛いんだが…⁉︎ 「……。」 手に持っていた無残なヘッドホンを見つめて、床に置く。これ、直せるんだろうか。 視界が何やら鬱陶しいことが気がかりになり、 ああ、そうだ、変装したままだった。と思い出す。 メガネを外すと、レンズに映る青ざめた自分の顔が見えた。 うわひっでぇ顔w …オレの目は少し他人とは変わっていて、光が入ると灰色の目に青が薄らと覗き込むらしい。 変装していなくては、この目の色ですぐに正体は分かるだろう。 あのモジャ男みたいな格好するか?いやいや無理だろアレはww 「…名前も知られちまったし、もう開き直るか。」 変に誤魔化しているのも面倒だし、嫌われたり陰口なんぞ痛くもかゆくもない。 "予測できるもの"は、怖くない。 ぶん殴られるのは"予想できる"。 だから、殴られるのも怖くない。 わざわざビクビクしてやるもんか。
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