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「けど、昨日の騒ぎ見てなんか面白い子だなぁって思ってさ☆」
「そんなことないっす〜…私パンピーですぅ…」
なのでお引き取りくださいまし…
「ぱん…?よく分からないけど、面白いね〜」
「どこが…?オレが面白かったら売れない芸人も売れっ子芸人になるぞ…」
「あはは!やっぱ面白い!俺、伊月雷人っていうんだ〜☆シクヨロ☆」
コイツのツボが分からん…いっそ寒いギャグでも言って凍らせたろか…
うんうんと唸るように現状打破の作戦を考えて自分の中に閉じこもっていると、ふぅっと耳元に息を吹きかけられてゾワッと背中が凍った。
「んぐぉおおおッ⁉︎何すんだ気色悪い‼︎」
「もう…もっとかわいい反応してよ〜」
「男が可愛いとか誰得って感じなんだが。」
「俺得!」
「お前に得があってもオレに無いなら却下だ‼︎というかさっきから距離が近いキモい離れ、ろ‼︎」
チャラ男の顔面を掴んでぐいっと引き剥がす。
大祥に助けを求めるのは、ハァハァと気色の悪い息遣いでオレたちを見ている時点で無駄だと悟る。
…それにしてもこの腐男子ノリノリである。
「でもさ〜、昨日の弁論はかなり染みたよ〜☆よいよいって口が回るんだね〜」
「ハイハイ、口先だけのクズ庶民ですよぉ〜」
「もう!そんなに照れなくていいのにぃ☆」
「これのどこが照れてるように見えるんだ…。お前の頭は都合よく物事を認知する神経でも通ってるの?眼球腐ってるの?」
「へぇ〜、そんなこと言っていいんだ?ふぅん…」
「な、なんだよ…腕を回すな‼︎」
チャラ男が悪い笑みを浮かべてオレのことを見てくる。やめてー、キャラ被ってるじゃんー…
「ねえ、俺…よいよいの事好きになっちゃった」
…………は?????
なに言ってんのコイツ???
やっぱ頭おかしいんじゃないか???
話の脈絡なさすぎん????
え、待て。なんだその顔。
なんかだんだん近づいてきて……
思考回路は崩壊寸前。
教室から湧き上がる殺意。
汗を吹き出して青くなるオレ。
チャラ男の顔が近づいてくる…。
接触まであと…
3……………、
2……………、
1………
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