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生徒会室で会長と2人きり。無言で3分経過。
…これ、なんていう地獄?
「お茶を、どうぞ。」
「あ…ああ、どうも…えっと副会長さん…」
「はい。」
ニコリとどこか闇を持った笑顔の副会長。地獄から解放されたと思った矢先にプレッシャーが2倍になっただけだった。
やけにふっかふかの座りが悪いソファーといい、お高いですよ〜いい茶葉を使ってますよ〜とアピールしてくる紅茶の匂いが居心地の悪さを際立たせる。
震えそうになる脚と手元を抑えながら出されたお茶には手をつけず、会長を盗み見ると会長はオレとは正反対に落ち着いた様子で紅茶を飲んでいた。
悔しいが、随分と様になっている。
このまま帰りたい…。
内心gkbrしているオレだったが、全くそれを表に出さずにある一点を見つめているだけにしていた。
カチカチと時計の音が聴こえて、校舎のチャイムが五時を伝えた頃、会長はようやく口を開いた。
「…悪かった。」
「………、…………は、い?」
え、今なんつったこの会長サン。
悪かった…?え、謝った?謝ったのか今⁉︎
オレはその場でぽかんとしていると会長は席を立って遠くの方へと歩いて何か本を持ってきた
それをオレの方へと差し出したので受け取る。
なんだ?これ…カタログ?
「壊してしまったからな。好きなものを選べ。取り寄せておく。」
「え、いや、…あれ本当に安いものだし…」
「遠慮するな」
「いや、マジで大丈夫ですから…。」
カタログの表紙には最新の機器が並んでいる。確かに貧乏人には生唾ものだろう。
写真の際立った光沢は高級品であると宣伝しているかのようだ。はっきり言って、欲しくないと言えば嘘になる。だが…
「ここまでしてもらう理由がないですし、許してもらえれば私はそれで十分です。」
後から高額請求なんてされたらたまったもんじゃない!
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