1.どうしてこうなった。

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「だが、弁償を…」 「弁償なら修理代を支払ってくだされば結構だ…だが……、…………どうしても‼︎そう!どうぅしてもというならば‼︎その願いを聞いてやってもいい‼︎」 そう!どうしてもと言うのならな‼︎ べ、べべ別に最新機種とか気になるわけじゃないんだからね! 曲聴けないの辛いってだけなんだから! …本当だよ? 「ただし‼︎後よりやっぱアレなしな‼︎とか!タダとか一言も言ってないが?という文句を言うのなら断る!」 「…フッ…、やはり貴様は面白い奴だな」 「は?」 何言ってんだ?という顔をすると会長サンは愉快そうに笑った。 「…昨日の貴様の発言を聞いて少し己を振り返ってみた。庶民の言葉で自身のあり方を考え直すなど、考えたこともなかったが…」 会長サンがソファから立ち上がって机を回り、オレの方へと近づいてきた。 副会長がため息をついて、部屋から出て行った。 またも2人きり。 え、なに?何がはじまるんです? 「貴様は他の奴とは違って面白い…、もちろん腹立たしいというのも加える点ではあのまっすぐな優希とは敵うべくもないが。」 顎に会長の厚い指の甲が当たり、オレの顔が会長の方を向く。何だっけこれ顎クイ? 会長が馬鹿でかいせいかオレが座ってるせいかで90度に曲がる首。痛い。さっさと離せ。 「はっ、照れているのか?まぁ無理もない。貴様のようなチンチクリンに近づく物好き、俺以外にいるまいよ。」 「これが照れているように見えるのなら、一度眼科に行くんだな。」 ペシッと顎にかかる不快な感覚を振り払う。 あー、首痛ェ…。 やがてポカンとしてい間抜け面をした会長が一瞬悔しそうに歯を噛み締めてから、嘲笑うように俺を見る。なんだってんだ。 「…まさか、本気にしたのか?貴様」 「は?」 「俺が貴様なんぞ本気で相手にするわけがなかろう!それを貴様…手を振り払うなど…」 はぁあ?お誘いしたわけじゃないけど断られたら苛つく。…か?メンドクセー… 「なんつー自分勝手な奴だよ…」 「は?」 あ、やべ口に出てた。 まあいい。ここで釘でも刺せばいいだろう。
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