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「言っとくが、オレはノンケだ。
その気もねェし勝手に簡単に体をベタベタ触らせるのを良しともしねえからそこんとこヨロシク。」
ただ、その一言が余計だったのかもしれない。
会長の目の色が変わった気がした。
「…それは陥落させるのが愉しみだな。」
「アンタ、オレを狙ってるのか狙ってないのかどっちなんだよ…。」
「遊び相手くらいには選んでもいいかと思うくらいだ。貴様、よく見ると顔は悪くないしな。」
「友人くらい勝手に作っとけってんだ。」
コイツの言う"遊び相手"が友だちとは限らないがそこは突っ込んだら負けだ。
それに、ここにこのまま居たら危険な気がする。
「誰が席を立っていいと言った。」
「…許可貰わなきゃ立ち上がれないほどアンタに権力はない筈だ。じゃあな。」
そのままオレは席から立ち上がり逃亡した。
「…ッチ…逃げられたか。」なんて背中から聞こえたのは聞かなかったことにしよう。
ヘッドホンはどうしたのかって?我が身より大切なモノなどない‼︎
ダッシュで寮へと帰り、フラフラのまま部屋で眠ってしまったのは言うまでもない。
その横で大祥がニヤニヤして妄想に耽っていたことも、言うまでもない。本当に。
これからやってくる学園生活に不安を感じるしかない中、オレは心の中で叫んでいた。
…どうしてこうなった、と。
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