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大祥と手を振って別れる。
さて、羊組は先に逃げる権利がある…が、
「アイツ羊か〜」
「超いいじゃん?新入生狙っちゃおうかなぁ」
「えー⁉︎意外〜!あの人もなの?」
「生徒会の皆さんはどちらでもないのか…なら羊側にもチャンスは…」
ギラギラ目つきの狼たち。
この雰囲気の中、わざわざ走り出して逃げると逆にいい餌だと相手に知らせることになる。
オレは狼サイドが蔓延る校庭の、少し人口密度が少ない角とこっそりと離れていった。
「よし…」
羊の印の赤い鉢巻の上にあらかじめ家の救急箱から拝借してきた包帯を巻きつけて白(狼)に模倣したら準備完了。
影は薄めようとすれば薄められる。
これぞミスディレクション。気配遮断EX。
さあ勝手にホモホモしててくれ〜オレはゆっくりとこの授業なしの日を満喫する!
「気になる羊を捕まえて〜我が物に!」
「準備はいい?れでぃー…ごー‼︎」
放送の声と共にどしどしと地面が揺れて、学園へと大男の波が流れていく…。
その光景はまるで夕飯前のバーゲンセールに向かう戦士たちのようであった…。
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