1.どうしてこうなった。

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「隣の席か?」 「そうじゃねぇの?」 大祥とは1年から席が殆ど離れたことがない。 何の縁か、席はいつも左右違えど隣同士になる。 今回もそうだろうかと思い、わらわらと人の集まる席順の書かれた黒板へと走る。 どうしてこんなに席順ごときで黒板に人が集まるかというと、恐らく理由はただ一つ。 ピク、と耳の良い大祥が肩を揺らしてオレを見る。 オレはコクリと頷くと、肩に下げていたヘッドホン を耳につける。大祥はポケットから耳栓を取り出し て嵌めた。 そしてその5秒後、それは現れた。 「ハロー☆かわい子ちゃんたち☆!」 「きゃあああああっ‼︎」 「伊月様ぁぁあああッ!」 絹を裂くような黄色い悲鳴。 言っていたか知らんが、ここは男子校だ。 男子校なのに女子並みの高音かつ雑音がキンキンと 響いている。 この悲鳴が聞こえるのは限られている。多分、今の 三日月だかなんだかとやらは生徒会の一員…なんだ ろうな、多分。知らんけど。 なんか金髪なんだが、いいのか?こんなチャラ男が 生徒会員で。 うるせー…。 大量の高音発声器どもを壁にして、目立たないよ うに黒板を見る。 「えっと、いつもの背後席か。隣は…」 ん?…珍しい、大祥はオレの前席か。 んで、オレの隣は…"光明寺 優希"? なんか名前からして自己主張激しい奴だな… てかこんな名前の奴、同級生にいたか?
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