2.決まりごとは守りましょう。

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目を輝かせてこちらを見つめる知らない小学生。 制服でもないが、着ている物の品質が良さそうなのはここの学園に相応しくはあるのだろう。 それにしてもこの居心地の悪いほどキラキラな瞳をオレに向けているのは何故なんだ。 「…天使さま…?」 「は?」 「天使さまだ!すごい‼︎」 突然、チビっ子がオレの脚に抱きついてきた。 え、なに?なに⁉︎…て、とにかく… 「チビっ子、なんでこんなところにいるんだ?」 「む…ぼく、チビっ子じゃないです!」 「へーへー。じゃあ名前は?」 「知らない人に名前はおしえちゃだめです。」 「…」 コイツ、めんどくせぇええ… まあ、防犯意識が高いのはいいことだな。 オレはしゃがみ込んでチビっ子の目線に高さを合わせた。 …この顔、どっかで見たことがある気がする…気のせいか? オレはこの場にふさわしいように精々気取った態度でちびっ子に挨拶をした。 「…申し遅れました。私、この学園の生徒の出雲といいます。」 「あっ、あ!はい!よろしくです…」 「よし、これでオレとキミは知り合いだ。名前を聞いてもいいか?」 「は、はい!ぼく、おおがさき だいすけです!えっと…よろしくお願いします、天使さま…」 チビっ子はもじもじとしながら挨拶してくれた。 おおがさき…?なんかどっかで聞いたような… 「つうか天使さまってなんだよ…」 「あ、う…す、すごく綺麗な声だったので…」 「あんなの誰でも歌えるっつーの」 「そんなこと、ないです!あのっ、すごく、すごかったです!」 感想が小学生だ…なんか久しぶりだなこの感じ。
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