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「いいか?チビっ子。オレから離れるなよ」と忠告して人の居ない通りを警戒心MAXで進んでいく。
これなんか隠密行動みたいで面白いな…
みたいになってたらチビっ子から
「さっさと行きますよ」とダメ出しされた。
仕方なく3年の教室のある本校舎まで大人しく早々と歩いていくと次はチビっ子が「速すぎます」とケチつけてきたので歩幅を考えてそれなりにゆっくりと歩くことに。
これ追いかけられたら詰むよな〜。
しばらく、
本校舎に入り教室に近づいていくも、全くと言っていいほどに人気がなかった。
それもそうだ。全体的にモテる奴らは東校舎に集まっているし、本校舎の三年教室などとイベント中、賑わうわけもない。杞憂だったか。
教室はもぬけのからだった。
「ほれ、ちびっ子、着いたぞ。」
「ここがお兄さまの…!」
「着いたけど、席分かんのか?」
「はい!お兄さまならば中心の一番後のお席かと思われます!」
なんで分かるんだ…と思ったが、よく見ると1席だけピカピカに輝く机があるので納得する。
授業しにくくねえのかねあれ。
ちびっ子は背中のリュックからなにやら大きな箱を取り出して机に乗せた。
「それ…なんだ?」
「これはおべんとうです!ほんとうはじいやのお仕事なのですが…今日は僕が持ってきました!」
「おいおい…いつもなのか?忘れ物…」
「?おべんとうはできたてをお運びするのですよね?」
さも当たり前のように話すちびっ子にぽかんとして、ああそういえばここ金持ち学校…と納得する。
食堂に来てるんだから食堂で頼めばいいだろ…。
「…まあ、これで用事は済んだな?さっさとずらかるぞ〜。」
「はい!」
ちびっ子が元気に返事をした…その時、
「誰だ…?」
廊下から低い声がして肩が跳ねた。
「あれ?今の声って…」
「ちびっ子、ちょっとこい。」
「え?」
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