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席につくと、前で騒がれていたチャラ男は右前の席
に座ったようだった。
それにくっいてわさわさと集団も移動する。
オレはヘッドホンをつけたまま、とりあえず窓の外
の景色を見た。
(まあ、悪い席ではないな。居眠りしても気づかれな
さそうだ。)
前の席についた大祥が楽しそうにオレを振り返って
きたが、
ヘッドホンは安全が確保されるまでは外さないぞ、
と目で合図するとそりゃそうだなと苦笑いして前を
向き直った。
ヘッドホンからは、最近弟がハマっているというア
ニソンが流れている。
…まあ、曲調は悪くはないな。(体を揺らして聞き入りながら)
曲の隙間からドアの開く音がして、オカマどもが席
に急いで戻る。
大祥は耳栓を外したが、甘い。
この1年間で耳栓検定第一級のオレはここで外すなんていうヘマはしない…。
まだ悲鳴は終わらんぞ。
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