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あと1センチ。
もう、逃れられない……
…わけがないだろ。
「ふっしゃああああ‼︎‼︎」
「⁉︎」
全力でチャラ男の股目掛けて体をスライドさせる。
無駄に長い脚はいいトンネルになってくれた。
ズサーーーッとよくTw○tterで流れてるダンボールに飛び込む猫の映像みたいにしてその場を逃がれる。
…ありがとう、ペロ。お前が教えてくれたんだな。
あ、ちなみにペロは三毛猫です。
柴犬じゃないのかって?
いや柴犬はただオレが好きな犬ってだけです。
…とにかくスライディングを決めたオレを見てぽかんとしているチャラ男を傍目にオレは屋上から逃げ出した。
やがて校内放送機器からpーーッと音が鳴った後、学校のチャイムが鳴る。
スマホを見てみるとちょうど行事終了時刻だった。
…行事まだ終わってないじゃねえか…
あのチャラ男…騙したな…!
「ま、これで逃れられたってことだなーー!」
ふふ…ふははは!オレにかかればこんなもんよ‼︎
「さぁてと…運悪く生徒会の餌食になった奴らを見にいきましょうか!」
行事終わりは校庭で発表がある。
オレはそれを見るべくルンルンとした足取りで校庭へと向かったのだった。
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