2.決まりごとは守りましょう。

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いつか聞いた話だが、宵は声楽の実力を認められてこの学校に推薦入学してきたらしい。 "天使の歌声"やらなんやらかんやら言われ続けていたらしく、当本人は 「異名とかww厨二乙ww」などと笑っていた。 それほどなら聞いてみたいと思ったのだが、真顔で 「勘弁して」と懇願され、実際聞いたことはない。 「宵、もしかして人前で歌うの恥ずかしいの…?」 「いや、そういうわけじゃ、」 ならなんでここまで拒絶するんだろうか。 というかコイツが赤くなるなんて初めて見たかもしれない。 …珍しいモノ見たなぁ。というか…なんていうか… 「…た、大祥…、オレ、ちょっとトイレに…」 チョイチョイと俺の袖口を引き、宵は俯いたままヘルプの姿勢を示してくる。 …おいおい…宵さん…その姿勢は"受け"ですよ… 俺以外にやっていたのなら写真に納めたい光景だ。 同時にここまでヘルプされてるのなら、友人としてなんとか助けてやりたいな…と思う。 だがしかし、 「おい幽霊部員。お前も一応声楽部だろ。」 現実は無情。 俺の袖口を掴んでいた手は離されて、宵は声楽部の部員に引きずられていった。 「や、やだ…嫌だーーー!大祥ーー‼︎」 今生の別れみたいな叫び声で宵は攫われて行った。 …すまぬ、宵…。けど今のなんだかちょっとシチュレーション的に美味しかっ(
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