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「えっと、光明寺優希だ…です。
よろしくお願いします」
黒いモジャモジャ頭。黒縁メガネ。
…どう見ても今朝のアセチルタワシくんだ…。
というか敬語くらいスムーズに使えよ。
クラス中がブーイングの嵐に囲まれる。
「なにあのモジャ男!」「きっしょい!」「帰れ!」とやら散々な言われようである。
ザワザワした声を担任が沈めた。
「はいはい!静かにしろお前ら!!えっと、光明寺の席は…」
本来ならここで手を挙げるのだろうが、オレは挙げない。絶対にあげない。
結果的に隣になるのだが、ここで来て来てアピールする意味も分からない。
てかなんで変装してんだ、アイツ。
ドM?それともイケメンの余裕か???
「ああ、出雲の隣か。」
「出雲?…あぁあっ‼︎‼︎」
やめろ人に指差すなボケ。
オレはススス…と大祥を盾にして隠れた。
転校生はそんなことお構いなしに指を指したまま言葉を繋げる。
「お前、朝会ったよな!」
いえ知らないです、関わらんといてな。マジ。
無視を決め込んでいるとズカズカとこちらに近づいてきた。
え、やめて、怖い。
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