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あの地獄の鬼ごっこから早1ヶ月。
ーー5月も終わりへと近付いていた。
「ただいまー」
「おう、おかえりー」
寮に帰ると大祥がいつもの定位置でソファに寝転んで本を読んでいる。
側から見ると真面目なイケメンであるが、どうせ読んでるのはBL本なので台無しである。
大祥とは席は変わっても同室なのは変わらない。
寮の構造を説明するのなら、2人の共有スペースのリビングとその隣に個室が2つある。
個室は共有スペースの1/2くらいでしかない。寝るか趣味かくらいにしか使わないので問題無しだ。
オレの部屋の床はほとんど見えないが、前に見せてもらった大祥の部屋は綺麗だったのを見ると性格ってすぐに分かるよな!(自虐)
制服を脱いで、シワにならないようにハンガーにかけると適当に首元が空いたダルダルのパーカーとショッピングモールで安売りしていた大きめなズボンを履いて休日スタイルへと早変わり。
リビングに戻るとキッチンに立つ後ろ姿が目に入った。
「今日飯何?」
「青椒肉絲」
「中華なんて作れたのか?」
「レトルト。賞味期限昨日のだけど。」
「大丈夫なのか…?それ…」
「賞味期限だしヘーキヘーキ」
「なら…大丈夫か…」
水道に向かい、手を洗っていると冷蔵庫からサラダを取り出している大祥と目が合った。
「?なんだよ。」
「いやー…、その…」
「あ?」
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